『狂気 太郎』会議室

美形会議 III

~美形入門~

一日目

二日目

四日目

五日目

 

 

 

 

神楽

 


神楽

 


神楽

 

神楽

 

 

「すいません、急に追加収録が入って遅れました。
 神楽鏡影です。まだ美形会議 III ~美形入門~は…」

 

「……なんだ、誰も来ていないのか?
 予定時間を12分も過ぎてるのにどうなってやがる」

 

「………」

 

「…しばらく来る気配がないな。
 仕方ない。独りでも始めるか」

 

 


 

 

神楽

 



日暮

 

神楽

 

ライアス

 

日暮

 

神楽

 



日暮

 

ライアス

 

神楽

 

ライアス

 

日暮

 

ライアス

 

日暮

 

神楽

 



 

神楽

 

日暮

 


ライアス

 

 

日暮

 

神楽

 

日暮

 


ライアス

 



日暮

 

ライアス

 

 

神楽

「こんばんは。人呼んで闇の占い師こと、神楽鏡影です。
 本日は第三回目となる美形会議の予定ですが、
 その前に最近の新興占星術について少しばかり…」

 

「いや、いいよやんなくて」

 

「………」

 

「何を吹き込む気だったんですか」

 

「そんなに独りで喋りたいの?」

 

「………そういうつもりではありません。
 そんなことよりあなた達は何をしていたんです。仕事ですか?
 まあ、いつも遅れる私が言えたことではありませんが」

 

「何言ってんだ? 剣さんならともかく俺の収録はまだ先だよ」

 

「ボウリングです」

 

「………ボウリングだと?」

 

「まったく日暮くん、ルールも知らないのを解ってて誘うんですから」

 

「はははっ!でもすげえ上手かったじゃん。結局俺が負けたし!」

 

「日々の訓練を怠らなければこんなものです」

 

「学生は忙しいんだよ。ちぇっ、次は絶対勝つからな」

 

「っお前ら……仕事や授業ならいざ知らず、言うに事を欠いて遊んでいただと?
 何のつもりだ! 剣が言っていたことを忘れたのか!?
 平和かつ有意義な会議をするのに、真剣に取り組まなくてどうする!!」

 

「……わしが、優勝した」

 

「……………」

 

「あーそうだよ!もうブッチ切りだったよな剣さん!
 やっぱりさ、空間把握っていうの? 次元を移動するのに必要なんだろうな」

 

「両端に残った二本を当然のように倒した時は、もう敵わないと思いましたね」

 

「すまぬ」

 

「いやいやいや、謝ることじゃないよ」

 

「……………」

 

「賞品はイギリス製の万年筆と手帳のセットだ。良いものらしいから使ってくれ。
 しっかしじいやも高校生の生活には不釣り合いなものを……おっと」

 

「終盤の連続ストライクは見ていて気持ちが良いほどでした。
 賞品はてっきり高級赤ワインかと思いましたが、なるほど剣さんの体質を考えて…―――
 おや? まさか、只で貰ったものを横流しですか?」

 

「はっはっは、そんなわけないだろー」

 

「怪しいですねぇ。フフッ、あはははっ!」

 

「……フッ」

 

「………………」

 

 


 

 

ライアス

 

日暮

 

神楽

 

ライアス

 


日暮

 


ライアス

 

 

 

日暮

 

ライアス

 

 

 

神楽

 


黒贄

 



神楽

 

日暮

 


ライアス

 

黒贄

 


ライアス

 

日暮

 

神楽

 


黒贄

 


 


黒贄

 

 

ライアス

 

日暮

 

神楽

 

黒贄

 


 

日暮

 

神楽

 

黒贄

 

日暮

 

 

神楽

 

黒贄

 



神楽

 

 

ライアス

 


神楽

 

黒贄

 

日暮

 



神楽

 

黒贄

 


ライアス

「では、そろそろ会議を始めましょうか」

 

「そうだな、時間も押してきたし。いいか? 神楽鏡影」

 

「……構いません」

 

「ところでエン・ジハルさんはどうなんですか?
 前回は偽者とライバルしか来なかったじゃないですか」

 

「んー…それなんだけど、全然連絡つかなくてさ。
 またどこかで転生してるんじゃない?」

 

「ああ……、困った人ですね」

 

「まったくですな」

 

……!?

 

……!?

 

「まあ知らないんですが」

 

「お前、黒贄……!
 何しにここへ、いや、どうやって来た!?」

 

「はい。黒贄です。
 いやあ、ふらりと立ち寄ってみたら、聞き覚えのある声がしたので。
 で、美形会議ですか。私も美形の在りかたには一家言ありまして」

 

何を笑ってやがる

 

「落ち着くんだ神楽鏡影!
 感嘆符がないとリアクションし辛いからやめてくれ!」

 

「そうです、相手のペースに流されてはいけません!」

 

「収入が入ったので、ああたまには凶器より自分の身体を労わろうかなぁと、
 ふと思ったのですいませんヤキトリ丼と揚げ出し豆腐とウーロン茶」

 

ゆるさんぞ貴様

 

「落ち着けライアス!!」

 

「この野郎…今回だけ会議場が借りられず
 焼鳥屋の二階でやっていることをばらしやがって……!」

 

「はあ、てっきり年の瀬の宴会みたいなものかと思ったのですが。違いましたかな。
 そういえばブラックソードさんと神楽さん以外は見慣れない方で…―――」

 

「宴会ではない……。
 黒贄、神聖な会議の場を乱しに来たのなら……」

 

「というか、なんでブラックソードさんが居られるんですか」

 

……!!

 

「なんてことを!」

 

「おま、お前は何を言っている!」

 

「……!! お、おい、黒贄!」

 

「美形というのでしたら、ねえ。
 顔の見えている方が適任のような……」

 

ぐぶっ!

 

「血を吐いた!」

 

剣さんに謝れ……!!

 

「ややややっ」

 

「謝れ黒贄礼太郎!剣さんは心の美形だ!」

 

!?

 

改めて聞くと恥ずかしいが、そういうことだ!」

 

「ううん、間違い探しは得意ではないんですよね。殺人が絡まないと。
 なるほど。心の清い方々の会議、と……いうことは
 神楽さんですな」

 

「ぐっ…!!」

 

「…いや、違う」

 

「……そうです。
 神楽さんも、美形会議の仲間です」

 

「………!」

 

「ありゃ」

 

「誰よりも冷静に場を見て、誰よりも熱い意見をくれる……
 …まあ自分勝手なところはあるけど。
 かけがえのない俺達の仲間だぜ。神楽鏡影は」

 

「お前ら……いい奴らだったんだな……」

 

「…いやいやいや、ちょっと待ってください。
 私もよく解らないんですが、なにか根本的なところで間違っている気がします」

 

「なにがですか! 勝手に人の間に境界線を引いて!
 間違っているのはあなたのほうです!!」

 

黒贄

 

「だって一人物が美形か否かという程度の事、お話の質には何も影響しませんよね。
 むしろそうして解体することで似たような面子ばかりという印象が出るのでは。
 それがマンネリズムと個性のどちらに転ぶかはともかく、
 勝手にキャラクターの間に境界線を作るのは関心しませんな」

 

ライアス

 

神楽

 

日暮

 

 

黒贄

 



神楽

 

日暮

 

ライアス

 

 

黒贄

 

神楽

 

 

黒贄

 


日暮

 

黒贄

「………」

 

「………」

 

「………」

 

「………」

 

「ですからね。商業化した格闘ゲームとは違う文化ですので。
 美形枠などというものは、はあ、読者の方々で
 どうこう言って遊んでもらうためだけのものと思いますな」

 

「………」

 

「……ひどいテロだなこりゃ」

 

「ええ、どう見てもテロリズムですね」

 

「………」

 

「……え」

 

「…場所を移しましょう」

 

「ああ、酔いがさめた……」

 

「あの、待ってくださいようっ。神聖な会議なんですよねっ。
 というかブラックソードさんは食事自体が……」

 

「店員さん、一人残るけど請求書は日暮家に」

 

「わーい」

 

 

 

おわり