「……本当に来るのか?」
「ああ、来ると思うぜ。あの人は」
「ですが、スケジュールが会わなくなった可能性も否定できません」
「………そうだな」
「お前ら…… カイストが信じられないのか!
来るって言ったら絶対に来るんだよ!」
「落ち着きなさい、日暮くん。私とてあの方を信じていないわけではありません。
ですが、まだ信じられないというのが本音としてあるのです。
本当にあの方が、私達と会議を行ってくれるのでしょうか?」
「彼らは肉体と記憶を残したまま、転生を繰り返し永劫を生きる……
カイストといえばわしらにとって雲の上の存在」
「……なるほど、俺も死んだことは無いしな……
そういう雰囲気のある人だよな」
「!? 待ってください! ……この気は!?」
「このプレッシャー……!」
「おお!!やっぱり来てくれたか!!」
「来るのか!」
「!!?」
「どうも、ご招待に預かり光栄です」
「エンさん!!」
「カイスト代表の伊達男!エン・ジハルさんですね!?」
(こ、この男がエン・ジハル……
なんというオーラ! 風格! 品位! 格調! スケール!)
「はい、エン・ジハルです。趣味はナイフの手入れと転生です」
「本物だ!」
「ええ、この尋常じゃない目の大きさ。間違いなく本物でしょう!」
「会議内容のプリントは読ませていただきました
いやあ、なかなか興味深い」
「さすがカイスト!仕事が早い!」
「私はキルマのライバルということでいいんでしょうか?」
「ちょっと待て」
「な、なんだ神楽鏡影!」
「そうですよ、せっかく盛り上がってきたという時に!」
「………空気読め!」
「こいつはエン・ジハルじゃないだろ」
「おやおや」
「なっ!?」
「………!!」
「なんだってー!!」
「思ったより早くバレましたね……
アストラル体でも問題ないかと思いましたが」
「どうも引っかかったんでな。
カイストのような能力者が居たとして、幽霊の状態で来るとは思えん」
「フフッ、それでは改めて名乗りましょう。
想師シリーズから来ました。
知識の探求者、美形カバリストのゲール・ブライトです」
「あ、あいつか!」
「自分で美形とか付けるんじゃありません!
あなたはここに呼んでいませんよ!」
「それは私がライバルキャラではないからですか?
しかし美形キャラの全てが主人公のライバルとは限りませんよね?
明確なデータが出ているわけではありませんが、
美形⊂ライバルではなく美形∩ライバルであるべきだ」
「ゲゲェー!!なんか教師みたいなこと言ってる!」
「おのれ!なんの呪文だ!」
「!…… クッ、フフフフッ……!」
「落ち着けお前ら。
嘲われてるぞ」
「フフフハハハハハッ! いやあ、来て正解だった!
やっぱり生で得る知識はいいなあ」
「……知識というか観察というか」
「……なるほど、そういうことか。座らせていれば何もしないな?」
「ええ、会議の様子さえ見せて頂ければ満足です。どうぞ始めてください」
「待ちなさい! そんな部外者を美形会議に入れるわけにはいきません!
だいたい、本物のエン・ジハルさんは来るんでしょうね?」
「あ、その人ですか? どうかなあ。一回殺してきたけど」
「こ、この外道!」
「なんて奴だ!」
「だって邪魔でしたし」
「邪魔なら仕方ないですね」
「しまった、こいつも外道だ!」
「いいから放っておけ」
「……ま、まあそうだな、進行の邪魔はしないはずだ。
知識の根源を潰すようなことはしないだろ」
「分かっておられますね。では、そろそろ始めてくれませんか?
ああ、記録はしっかりしてください。プリントが誤字脱字だらけだったので
レコーダーなど音声記録が最適ではないかと」
「……やり辛いなあ」
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