『狂気 太郎』会議室

美形会議

 

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「よっ!陰を往く人の美形キャラ、日暮静秋だ」

 

「わざわざ説明しなくても良いでしょうが、
 私が地獄王の美形キャラ、ライアス・ファンデブルー・デリッセンです」

 

「………」

 

「剣さんですね」

 

「殺人鬼 探偵の美形キャラ、剣里火さん。旧名ブラックソードさんだな」

 

ライアス



 

日暮



 

 

日暮

 

ライアス




 

日暮

 

 

ライアス

 

 
日暮

 

ライアス

 

 

日暮

 

ライアス

 

 

「で、特定層の乙女を熱狂させる
 そうそうたる美形キャラ三名が既に揃っていますが
 他に誰が来るのでしょうか?」

 

「狂気 太郎や灰崎 抗の小説から、選りすぐりの美形キャラが集う予定さ。
 一応、カイスト代表で目的のない凶器からエン・ジハルさんを呼んである。
 他は…そうだな、希望への破滅からケンさんでも呼ぼうか」

 

ぐふっ!

 

「血を吐いた!」

 

「剣さんが血を吐きましたよ!
 そ、そうか!だめでした!世紀末の黒系病弱美形キャラを
 剣さん以外に呼ぶのはだめなんでした!
 キャラを被られて存在感がこれ以上薄くなるのはだめなんでした!」

 

「そ、そうだったのか!そうとも知らず、これはとんだ失礼を…」

 

「……いや…いい……」

 

「本当、剣さんは身体が悪いんですから、気をつけないといけません。
 で、想師からは誰を呼ぶんですか?」

 

「……誰を呼ぼうか?」

 

「………」

 

「………」

 

「……いらないね」

 

「……ええ、いりませんね」

 

「………」

 

 

 


日暮

 

ライアス

 

神楽

 

ライアス

 

日暮

 

神楽

 

ライアス

 


 

日暮

 

神楽

 

日暮

 

ライアス

 

神楽

 


日暮

 

 

神楽

 



 

日暮

 

ライアス

 




 

日暮

 

ライアス

 

神楽

 

 

神楽

 


日暮

 

ライアス

 

神楽

「すいません、殺人鬼 探偵Vの収録で遅れてしまいました。神楽鏡影です。
 まだ美形会議はされていますか?」

 

「………!?」

 

「………!?」

 

「何か……?」

 

「ちょ、どういうことですか、日暮くん!殺人鬼 探偵からは剣さんじゃなかったんですか!」

 

「そ、そうだ!俺が呼んだのはここにいる剣さんだ!お前は何をしに来やがった!」

 

「何をとは……美形会議ですよね?殺人鬼 探偵代表として来たんです」

 

「何が殺人鬼 探偵代表ですか、あなたが来たら台無しです!
 剣さんも怒ってますよ!」

 

「………」

 

「見ろ!剣さんも怒っているだろ!たぶん!」

 

「これは狂気 太郎作品の美形キャラが会議を行う集まりではないのですか?」

 

「そ、そうだ!そうだけど、お前じゃダメだ!」

 

「あなたが来てはお仕舞いです!」

 

「美形キャラが一作品に一人ということは無いでしょう。
 それに私は剣さんから頼まれて来たんですよ」

 

「なっ、そうだったのか剣さん!」

 

「……うむ………」

 

「この次元に留まっていられるか解らないから、
 もしもの時のために同席して欲しい、と。
 飽くまで剣さんの補佐として、補欠としてですね」

 

ぐはぁっ!

 

「血を吐いた!」

 

「剣さんが血を吐きましたよ!
 そ、そうか!ダメでした!剣さんが美形だという認識はまだ少数派なんでした!
 そもそも顔が見えないとか、唯一見えた時は人間の顔じゃなかったとか
 そういういうことを突いてはダメなんでした!」

 

ゴはぁっ!

 

「謝れ!神楽鏡影!」

 

「剣さんに謝りなさい!」

 

「な、なんだお前ら!?」

 

ゴブっファあ!

 

「こっち向いて吐くな!
 い、いや、失礼しました、許してください」

 

「解ればいい」

 

「解ればいいんです」

 

「一体どういう会議なんだ……」

 

 


 

 

日暮

 


神楽

 


ライアス

 


日暮

 


 

日暮

 

ライアス

 

神楽

 

 

日暮

 

ライアス

 

神楽

 



ライアス

 

神楽

 

日暮

 




ライアス

 


神楽

 

日暮


 

神楽

 

ライアス

 



 

ライアス

 

 


ライアス

 

 

ライアス

 

日暮

 

神楽

 

ライアス

 



 

日暮

 

 

日暮

 

ライアス

 

神楽

 

日暮

 



ライアス

 

神楽

 


 


日暮

 

ライアス

 

神楽

 

日暮

 


ライアス

 

 神楽

 


ライアス

 

日暮

 


 

ライアス

 

 

日暮

 

神楽

 

ライアス

 

 

ライアス

 

日暮

 

神楽

 

 

ライアス

「やっぱり、俺が考える美形のポジションとしては
 主人公のライバル的存在。ここは外せないポイントだと思うな」

 

「ライバルですか。
 仕事の本質を見れば、商売敵とも言えるでしょうね」

 

「地獄王は私も主人公の一人と考えられる作品ですが。最初に登場した騎士ですし…
 ああですけど、ある意味、共闘する騎士たちとはライバル関係にあると思っています」

 

「作品の初期からいるのは重要だな。
 俺は真鉤とはライバルであり、同時に助け合う親友のつもりだぜ」

 

「………」

 

「あ……」

 

「あ……」

 

「そういえば、剣さんだけは三作目から登場しましたね」

 

ぐはぁ!

 

「謝れ神楽鏡影!」

 

「剣さんに謝りなさい!」

 

「何か間違ったことを言いましたか?
 例外を認め、間違いを正すなら、
 まずライアスさんの主張を検討すべきではないでしょうか」

 

「黙れ、老害!」

 

「老害!?」

 

「そうだ、すぐ本性を出すエセ敬語キャラにはわからないんだ!
 顔が良くて生まれも良くて地位もあってなんの後ろめたさもない。
 そんなキャラが性格まで真っ当な人間なわけがないだろ!
 腹黒ヤンデレ男の一人称小説なんて読みたいかお前!?」

 

「そうです!
 感情移入が出来るものならしてみなさい!

 

「いいのかそれで!?」

 

「そもそも、ライバルには主人公と互角の実力があるはず!
 常に直接対決を避けているヘタレ野郎に、ライバルを名乗る資格は無いな!」

 

ぐっ!

 

「その点、剣さんはしっかり剣を交えましたからね。
 しかもかなりの好勝負でした。今後も主人公の前にたびたび立ちはだかり、
 ライバルとしての地位を…―――」

 

「……いや、ライアス。それは………」

 

「……はい?」

 

「あやつが生きがいと言ってしておることを……
 わしが止める権利もない。仕方なかろう……」

 

「は、はあ、それはつまりどういう…―――」

 

「黒贄と戦う理由は、もう無い」

 

「………」

 

「………」

 

「………」

 

「…えーと、ようするに、ライバルというよりは……
 物語の中盤で投入された後、イベントを経て仲間になる、
 マンネリ消化剤のような……」

 

「………ウっぐぼぁ!

 

「ちょっと考えてから血を吐いた!」

 

ここは…地獄です……

 

「謝れ!」

 

「謝りなさい!」

 

「俺がか!?」

 

「いや、ライアスもだ! 憶測でも言って良い事と悪い事があるぜ。
 この程度の配慮が出来ないようじゃあ、
 美形キャラの社会的地位を貶めかねないってもんだ」

 

「そう言われては仕方がありませんね…すいません」

 

「いい年した男二人が高校生に諭されるというのは…
 それは良いか。失礼しました」

 

「いや、構うな……
 皆が仲良く、有意義な会議が出来れば他に何も望まん……」

 

「わかったぜ剣さん」

 

「そうですね、剣さんの言う通りです」

 

「……まあ、それで纏まるなら構いませんが…」

 

「前提から考え直そう。
 ライバルは、必ずしも初めから存在する必要はないはずだ」

 

「ええ、そう考えないと…―――」

 

「待ってください。たしかに作品初期には登場していませんが…
 剣さんの名前が出ていないとは言ってませんよ」

 

!?

 

なんだって!?
 ほ、本当だ!無印の第六話『髑髏』に名前が!」

 

「……!……おおお…!」

 

「重要キャラの名前だとは、思わなかった!」

 

「ぐゴッふぁあ!」

 

「血を吐いた!」

 

「剣さんに謝れ! ……いや、狂気 太郎に謝れ!

 

「わ、私が悪いんですか!?」

 

「……ここに、骨を…埋めることになるとは……な」

 

「いや如何にもなこと言わないでくださいよ!会議で話しただけですよ!?」

 

「………」

 

「………」

 

「………」

 

「……私が悪いんですか!?」

 

 

 

 

 

二日目